Zine

流れた言葉の行方はわからない 夜凪を見つめながら あなたにお別れを言う

TSUNO USAGI

2024.02

放棄した生活を片付けながら お骨を拾うように必要なものだけを集めていく

あなたにとっては燃えかすにしか見えないものが ハタチを超えて三年も経つのに

捨てられないまま

桃角兎

2023.08

二人展「桃源郷をよこぎりながら」より

言葉が月に照らされている
私は黙ったまま
壊れないように拾い集める

2023.08

電車の騒音を聞きながら ただただ思い出したい夜の話がある

湧き上がった感動を正しい言葉に置き換えたら 永遠の星になるその出来事は

輪郭も持ち合わせずにざわめく 私の中だけに広がる野原になった

出来事を与えてくれた人でさえも その野原には入れない

R.I.P
あの子がゆっくり
眠れますように

2022.11

天国へ行くあの子も、輪廻するあの子も、おばけになるあの子も、

一人では寂しすぎる箱の中に花や完物を道連れにしましょう。

燃やせるもの燃やせないものここでは関係ありません。

覚えていてください、この世で出会った愛を。

ツノうさぎ

2021.11

ツノうさぎは本当はツノなんて生えてやしないのです。

「でもただのうさぎじゃまるで、本当のわたしじゃないみたい」

だから毎日ツノのカチューシャを着けています。

鬼や悪魔ほど立派じゃないけど、さくらんぼみたいに真っ赤で可愛くて、

ツヤツヤしたエナメルが似合っています。